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久しぶりにリハビリ文章です。
しばらく書いてなかったけど以外に短時間でかけた…!
最近のじゃんぴをみての山本が不憫すぎる件を10年後視点で。
「なあ、獄寺」
いつになく神妙な面持ちで彼は話し出した、かと思えば直ぐに言い淀んだ。
手持ち無沙汰なのかどうなのか手に持っている時雨金時を右に左に持ち変えているかと思えば、今度はくるくる回しだす。
話せよ、といった風に睨みを聞かせれば決心がついたようでそしてまた徐に口を開いた。
「…もしもさ、親友だと思ってたやつが俺のこと大嫌いでさ」
「…ちょっとまて、急に何なんだお前」
唐突な話題でいつになく真剣な面持ちで話し出したかと思えばそんな話題かと獄寺は複雑な気持ちだった。
コイツ――山本は昔から妙なところでとても考えすぎる厄介な一面を持っている。
いつも能天気、何も考えてなさそうな呈を装って、しかし意外と他人が考えていないようなところまで考えていたりするのだ。
その度に獄寺の彼に対しての評価は変わっていったし、今ではコイツのことを誰よりもわかってやれるんじゃないかなんて、過信?のような感情まで表れて、俺は一層複雑だった。
しかし、コイツのことをわかってやれると思えるのは
ただ単にずっと一緒にいるからとか、そんな理由でもなく、根底の部分で俺とコイツが似てるからなんじゃないかとか真面目に冗談のような事を考えて自嘲した。
あながち間違ってなかったのかもなんて、客観視出来ているのは俺が10年たって大人になったからだろうななんて、自分のことすら客観視出来るようになった今の俺は思う。
あの頃は
酷かった。
俺もコイツも。
自己管理なんて言葉を知らないかのような暴走ぶり。
それでも俺たちが今こうして生きているのは10代目のお陰なのだろうと、あの方の凡庸に見えしかし非凡な何かが俺たちを今でも守ってくださっている。
あのときもそうだった。
――ああ、コイツは…
「…お前またあのときのこと、思い出したんだろ」
そういうと奴は急に虚を突かれたような顔で、
獄寺にはなんでも御見通しなんだな、
といって嘆息した。
(…なんでも、)
なわけないじゃないか
俺は今だってお前のことでわからないことなんか
(…山程ある、寧ろ知ってることの方が少ねえに決まってんだろうが馬鹿)
でも、コイツの全てが解ってしまっていたらそれこそ。
「俺の気持ちもお見通しなんだろーな」
……そんなことが出来たら、俺は。
「…てめえは俺をエスパーかなんかと勘違いしてんじゃねえの」
「いんや?獄寺がエスパーなのは俺に対してだけだろ」
「随分な言い草だな、ていうか自惚れてんじゃねえよ、てめえは俺の恋人か」
「えー…、ん-と…」
そういって山本は少しだけ考えるふりをして、ふざけたふりをした。
昔の俺ならコイツのこんな演技を見て苛々でもしたんだろうが、もうそんなこともないくらいに俺たちは十分すぎるほどに大人だった。
そう、
どうやって穏便にことを運べるのかが解るようになるくらいには。
せめて、俺の前では
その張り付けたような人好きのする笑顔じゃなく、素の顔を見せたらいいのに。
そんな刹那的に見せてしまった素の自分をなかったことにしたいかのような演技なんてしなければいいのに。
そう考えて俺は笑った。
(…俺はお前の恋人か…!)
「何わらってんの獄寺」
「…別に、なんでもねえよ」
「いや嘘だろ、何か考えてましたーって顔してんじゃん」
「してねえよ馬鹿」
「馬鹿馬鹿いうなよ、傷つくだろー」
「チッ、…一回しかいってねえよバーカ!」
「ハハッ!獄寺そーいうトコ変わんねーのな!中坊のときみてー!」
そういって笑ったコイツはさっきの真剣さは嘘のようだった。
――違う、こっちが嘘だ。
せめて俺の前では。
「さっきの」
「ん?」
「さっきの話」
「…ああ」
また話題に挙げると、コイツはしくったって感じの顔をしたからなんだか俺は居たたまれなくなった
。
そもそも俺コイツの恋人なんかじゃないのに。
なんで
なんで
(…自惚れてんのは、俺の方か?)
「いや獄寺が俺のこと嫌いじゃなかったならそれでいい」
奴の口から唐突に紡がれた言葉は俺なんかには予測もできない変化球で。
(コイツ変化球苦手じゃなかったか?)
(直球勝負しか出来ねえ野球バカのくせに、)
(10代目なら予測可能だったかもな、)
(やっぱすげえよな超直感!)
なんてそんなことが頭をよぎった。
―――違う、そうじゃなくて。
「誰が何だって?」
「…獄寺はずっと親友でいてくれな、って話」
「…」
前言撤回。
やっぱりコイツはわからない。
俺には理解不能だ。
そんなこと言われなくたって今の俺たちには、もう、きっと、
(…もう俺にはお前しかいないのに)
***
両思いなのにくっつかない山獄。
10年前のあの事件は山本にとってきっと一生トラウマなんだろうな。
それを全部わかってあげられる人間に成長した獄寺くん。
お互いにお互いがいないと生きていけないだろうって自覚があるけど、多分この話の二人は一生一緒
にいながら多分一生くっつかない…!
そんなシリアスが大好物です。←(ォィ
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狭く深くをモットーに日々妄想に励んでいたりします。
オタクで腐女子です。