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ゲームやまんがが大好きなオタクで腐女子な女の子が日々の日常や妄想を語るブログです★☆
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死ねた注意

儚い夏の物語。です

 

見てやるよというツワモノはつづきからどうぞ!

死ねた注意










スタート↓↓





例えば俺がさ…

なんだよ…急に改まって…

この世からいなくなったら―――

!?おまっ…何いって…

ごくでらは悲しんでくれる?



冗談じみたように真剣な眼差しでこんなことをほざいたアイツは…


一週間後にこの世を去った。






「あーあ、もう夏休み終わっちまうなー…、ずっと夏休みだったらいーのにな!」


「馬鹿かテメー…ずっと夏休みだったら夏休みの有り難みがなくなんだろーが」

そういってバカにしたように見下した態度をとる俺にアイツは
そっかそれもそうだなー
とか嫌味に気付きもせずに飄々といってのけた。


「今年も野球ばっかだったなー…あ、でもマフィアごっこも結構したよな!」


「だからごっこじゃねーっつーの!!!」

相変わらずマフィアをごっこだと思ってやがるコイツに喝をいれて


「花火もして、ツナんちでゲーム片っ端からクリアしまくって…」


「てめーは野球ゲームだけだろうが、この脳ミソ野球馬鹿」

「そんなことねーよ、俺結構アクションゲームもやったぜ?獄寺こそ頭使うやつしかできねーじゃん」

「野球しかできねー野球バカよりましだ馬鹿」


「馬鹿馬鹿いうなよー。バカっていった方がバカなんだぜー」

「じゃあ今馬鹿馬鹿いってるお前がバカだな」

「獄寺だって馬鹿馬鹿いったくせにー!」


くだらないはなしで盛り上がって


「じゃあ聞くがバカなお前は夏休みの宿題はとっくにおわってんだろーな?」


「……えーと…」

「…」

「ノータッチです」

「…死ねよお前」

「だって獄寺が助けてくれると思ってー!」

「他力本願も大概にしろバカ!」

ある意味予想通りのコイツの馬鹿さ加減に呆れて

「馬鹿でいいから助けてごくでらー!マグロ持ってくから!」

「ちっ…仕方ねえな…特上だぞ」


マグロにつられて


「やった!サンキュ獄寺!」


で、コイツのなんも考えてなさそうなアホ面笑顔をみたらなんだかホッとして

「…また来年もさー」

「なんだよ」

「こんな風にツナと獄寺と遊べたらいいよな!」

「てめーはいらねえよ!俺と十代目だけで十分だっつの!」

悪態もついて――

その日はそこの曲がり角で別れたんだ。

またあした、って。







「…」

「まさか山本が…」

「…」

「死因は頭部の強打だな…即死だったみてえだ」


淡々と告げるリボーンさん。

「ガキ庇って死ぬなんて奴らしいっちゃらしいがな」

「そんなこといってるんじゃないだろ!!!!」

取り乱す十代目。


「馬鹿ツナめ、こんなことこれからはいくらだってある、お前はマフィアのトップにたつ人間だ、こんなことにいちいち取り乱されちゃたまんねーぞ」

「いい加減にしろよリボーン!山本は俺の…俺の…っ…!」

「十代目……」

その場の雰囲気に圧倒され言葉すら発せずにいる俺。


「獄寺はわかってんじゃねーか、コイツは腐ってもマフィアの家系で育った人間だ、見習えダメツナ」

「………獄寺…く」

リボーンさんの口から発せられたのは意外な言葉で

「…お言葉ですがリボーンさん、」

「なんだ、くだらねー話ならぶっ飛ばすぞ」

「リボーン!」

「俺は山本と来年も花火がしたかったです、十代目と俺とアイツでまたゲームして花火して勉強して――また夏を過ごしたかった」

「黙れ獄寺」


俺は


「リボーンさん、なんであいつなんでしょうか、たしかにアイツは野球馬鹿で馬鹿正直ででも…」


リボーンさんに恐れ多くも進言して


「黙れっていってんだろ!!!」

「…っ」

「俺だってアイツには目をかけてたぞ…ホントにいい逸材だった、が仕方ねーだろうんなこと言ってたってな」

「…」

「うだうだいったってアイツは生き返らねえ」


そのリボーンさんの一言は俺と十代目を現実へと引き戻した。








―――なあ見えてるか山本

お前がやりたがった花火だぜ

流石に墓の前じゃてめーの好きな打ち上げとかネズミとかはできねーが

これはこれで風流なもんだろ?


十代目は昨日来てくださったらしいな、

ホームランバー…お前がいっつも食ってた。

やっぱり十代目はわかっていらっしゃる。

今年も甲子園おわったぜ、毎日お前飽きずにテレビに食いついて

今年の夏ももう終わりだ。


お前、自分死んだら悲しむかとかほざいてやがったよな、

全然悲しんでなんかないぜ

残念だったな

俺は毎日十代目と勉強会してたんだぜ、

いいだろ


今年は俺たちももう受験だ。






今日持ってきたコイツはさ

良いときはスゲー調子よく綺麗なのに揺らしたらすぐにおっこっちまうんだ

お前みたいだけど、お前みたいじゃない

こんな儚いのはテメーには似合わねぇよ

でも俺はコイツが好きだぜ

だって夏にコイツをする度に

お前がアホ面して笑ってたのを思い出すから




――なあ山本、

見えてるか

儚く強く生きたお前の証が。



 

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柚月しえ
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