バレンタイン用にSS書いてみました。

日記用なのでCP要素は低めで・・・！

よんでやる！という方は続きからどうぞ！

「山本君……これっ!!」
「私も私もっ!」
「私のも受け取ってっ!!」

朝から繰り広げられているのはもう何度も見慣れた光景。


なんだって女ってのはこうイベント事が好きなんだか。

誕生日だの、クリスマスだの、ハロウィンだの。

そもそも、バレンタインデーだって日本の文化じゃねえし。

「さんきゅーなっ!」

そういってへらへらと女共から綺麗にラッピングされたチョコレートを受けとるアイツ。

いつもの３割り増しくらい―――ムカつく。

この間こんな光景を見たのはコイツの誕生日の時だったか。

あのときもコイツはこんな顔して女共からどんな下心があるかしれねぇプレゼントとやらを受け取っていた。


ああ…思い出すだけで腹がたつ。


イライラしてくわえていたタバコのフィルターを噛むと、横におられた十代目が心配そうに俺の方を覗き込んだ。


「獄寺くん…」


俺は十代目に心配かけまいと、ニカッとわらって


「スミマセン十代目!ちょっとボーッとしてただけっすから!」

と親指をたてることも忘れずにいった。

…多分十代目には全てお見通しなんだろうけどな。


十代目の視線は俺から外れ、騒ぎの中心――野球バカへと移っていった。


「…ホントにいっつも思うけど山本って結構酷いよね」


え、と俺は困惑した表情で十代目の方を向く。

まさか、十代目からこんな言葉を聞くことになるとは。

てっきり羨ましがられているのだと思っていたのだが、それだけではなかったらしい。


「山本ってさ誰にでも優しいけど、でも見てよ」

ほらといって十代目が指をさしたのはアイツの手元、次々と無造作に詰め込まれている綺麗にラッピングされていたもの。


彼女たちの純粋な心を踏みにじるように次々と押し込まれていくそれらはまるで…

「ね、山本があの子達のことなんとも思ってない証拠だよね」


…その通りだ。


アイツは優しい。
誰にでも。
…つくづく女泣かせなヤローだな、アイツは。


本当に…酷いヤツ。

そんなとき、ふと起こった悪戯心。


もし俺がアイツにチョコレートを送ったら…アイツはどんな顔をするだろうか。

アイツはきっとバレンタインデーは女が男にチョコレートをやる日だと思い込んでるに違いない。


馬鹿なヤローだ、そんなの日本だけだっつーの。


そもそもバレンタインデーはイタリアにもある行事だし、あげるものはチョコレートだ、あげるヤツは女だなんて決まってない。


生憎この国ではいま、逆チョコなんてものが流行っているらしい。


(…もし俺があげたらコイツはどんな反応するんだろうな…)


そう考え知らず顔がにやけそうになるのを必死で堪えた。


チロルチョコ、チョコバット、占いチョコ、どでかばー。

アイツの好きそうなものを思い付くだけ思い浮かべる。


何をあげたらいいだろうか?


(大概アイツは安上がりだしな)


アイツを囲んでいる女共があげるような手作りクッキーや、高級そうなトリュフなどはきっとヤツの高評価は得られねぇ。

何故なら、アイツは高級なものにさして興味がないからだ。

現にとても高そうなラッピングで包まれた彼女たちの気持ちは押し込まれたことにより元の綺麗さなんてあったものじゃなかった。


その様子をみて、眉をしかめると十代目はアイツの方をみて意地悪そうにくすりと笑った。


「…なんか思い付いた?」


そうやって可笑しそうに笑う十代目に。

「…ええ、とびきりの」


俺は負けないくらい悪戯な微笑をアイツに向けた。


「…俺はチロルチョコがいいと思うな」

「奇遇ですね、俺も牛乳味のそれがいいと思ってたところっす」


じゃぁ、学校の帰りに買っていこうか。と仰る十代目にハイッ!と小気味いい返事で返す俺。


ああ…アイツはどんな反応するんだろうな。


さっきまで感じていたイライラの溜飲が徐々に下がっていくのを感じながら、俺はニヤリと口端を上げた。



＊＊＊



山本が女子に向ける優しさにジェラシー感じちゃう二人。

それにしてもツナも獄も山本が大好きですね。
いや、やっぱり仲良しなトリオが好きです私(なのにどうしてこんなことに←)
獄もおんなじくらいモテモテだと思うんですけど多分山本とは凄い対称的なんだろうな。
山本ファンは真っ向から受け取って貰えるから山本に群がるんだけど、獄寺ファンは真っ向からいくと突っぱねられるので下駄箱引き出しなど有無を言わさず受け取ってもらおうとするんだろうな。
頑張れ女の子…!

ツナは山本のアレも酷いっていってるけど、獄寺に対しても酷いと思ってるといいよ。
結局正反対だからこそ回り回って似た者同士ってことですよね。
獄寺の好意のはね除け方はあからさまだけども、山本は態度とかで拒否してる感じ。
結局二人とも送ってきた子の気持ちは全く考えてません。
そんな二人が大好きです。

それにしてもバレンタインデーなのに甘くない;何故……!!

そして若干間に合ってないorz;;