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下の日記ミルク味の続きです。バレンタインの後日談v
読んでやるよ!!って方は続きからどうぞ!
ほんの少しCP要素があります。
「なー獄寺はさ、チョコレートいくつもらったんだよ」
いつもと変わらない昼下がり。
沈黙に耐えられなかったのか、野球バカはおもむろに口を開いたと思えばこんなことを口走った。
(くだらねえ・・・)
俺達はいつものように屋上で弁当を食べて、いつもと同じように残りの昼休みをゆっくり過ごしていて。
十代目は今日は日直でさきほどまでここにおられたが、先に教室へと戻られた。
俺は勿論お供しようとしたが、十代目に必死で断られてしまったのだ。
なんて部下思いのお方なのだろう。
獄寺くんは、さっきの体育で疲れてるでしょ?ゆっくり休んでていいから、なんて!
そんなこんなで屋上に残ったのは俺と野球馬鹿――もとい山本の2人だけだった。
そして2人きりになった途端、口を開いたヤツの一言はそんなくだらねえことだったというわけだ。
チョコレートいくつもらった、だ?
コイツの頭は結局…
そんなことばっかりだ。
「…なー、ごくでらってばー」
「知らね」
「へ?」
鳩が豆鉄砲…とでも言うのだろうか、俺が返事を返したのが意外だったのかコイツはそんな比喩が似つかわしい顔をして見せた。
「…だから、んなモンいちいち数えねーよ」
ぶっきらぼうにそれだけいい放つと、山本は俺の方を見て不敵に笑った。
全くなに考えてんだか俺にはこいつの考えが全く読めない。
「…獄寺ってヒデーのな。ホントにこういうの興味ないって感じでさ」
・・・お前にいわれたくねぇよ。
そんなこと。
そんな言葉が脳裏を掠めたが、口にすると否定のようになってしまう気がして。
別に俺は否定する気もないので山本の言葉に対してなにも返さなかった。
―――だって、そうだろ。
ヒデーのはお互い様じゃねーか。
お前はうわべだけ。
俺は全面拒否。
結局はお互いそんなものに興味などないと言うことだ。
相手に対する否定の方法が極端に違うだけで結局やってることは同じなのだから。
まあ、端からみて酷いのは俺の方なんだろうが、今はそんなことどうだってよかった。
結局そういうことなのだ。
酷い男だ。
俺も、…コイツも。
そんなことを考えていると目の前の馬鹿と目があった。
相変わらずニヤニヤ見つめてくるコイツはホントになに考えてるんだかわからない。
きっとこれから先も俺がコイツを理解できる日など来ないのだろう、そう思うと自嘲的な笑いが込み上げた。
「何わらってんの?」
そう言って楽しそうに俺の方をみて笑うコイツ。
手にはさっきまで飲んでいた牛乳の潰されたパックが握られていた。
…結局コイツを本気にさせられるものってなんなんだろうな。
バレンタインデーに山本に群がっていた女共も、コイツが好んで飲んでる牛乳にさえも、きっとコイツは価値を見出だしてなどいないのだろう。
いや、牛乳にゾッコンってのもそれはそれで引くけど…。
「俺はチョコレート2こもらったのな」
「…2こ?」
「うん獄寺とツナからもらったやつ」
それだけ言うと山本は俺と十代目が渡したミルク味のチロルチョコと同じものをポケットから取り出した。
「…これ、すっげー嬉しくってさ。他の子達からもらったのとかどーでもよくなるくらい」
まさか俺はそんな風に返されるとは思わなくて、ポケットから取り出されたそれを凝視してしまう。
「…そーかよ」
「ホントだって」
あっそ、といって適当にあしらっているように振る舞いながら俺は全力でヤツから顔を背けた。
ヤバい…俺今絶対真っ赤になってる。
――わかっててやってるんだろうか。
…そうなんだろうな。
結局コイツはこういうヤツなのだから。
「いっこいる?」
そう言ってもうひとつ取り出した山本は、器用に包装を剥きそれを俺の口に押し当てた。
そのまま特に抵抗することなくそれを口へと受け入れると、口一杯に甘いミルク味が広がった。
「…甘い」
「そりゃ…」
牛乳味だしなーと笑いながら言うコイツは。
誰にでも甘く…
誰にでも―――酷い。
でもそんな酷いコイツから
離れられない俺はもうその甘さに毒されているんだろうな。
溶けてもなお、口内に残る甘ったるさを感じながら、そんなことを漠然と考えていた。
***
甘くしたかったがために後日談…(笑)
なんていうか…甘甘になりきらないのは私の語彙力が乏しいからです…!
チョコを口に当てて特に抵抗することなくって辺りが書きたかったんです。
餌付けに成功した山本。←みたいな
ホントは口移しでもよk(ry
ホワイトデーに続くはず…です。(多分)
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狭く深くをモットーに日々妄想に励んでいたりします。
オタクで腐女子です。